【第54回 気象予報士試験 一般知識】問15 災害対策基本法における市町村の責務をわかりやすく解説

こんにちは!今回は第54回 気象予報士試験 一般知識 問15を解説します!

法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください! ⇒ 【講義】一般科目 気象法規

この問題は、災害対策基本法における市町村の責務について問う法規問題です。

特に、市町村は「基礎的な地方公共団体」であり、「地域防災計画」を作成・実施するという表現が重要です。

受験生がつまずきやすいのは、防災業務計画地域防災計画の違い、そして避難に関する勧告・指示の言葉の使い分けです。

この問題で重要なポイント

  • 市町村は、基礎的な地方公共団体である。
  • 市町村は、住民の生命・身体・財産を災害から保護する責務を有する。
  • 市町村は、地域防災計画を作成し、実施する責務を有する。
  • 防災業務計画と地域防災計画を混同しない。
  • 市町村長は、必要があると認めるときは、避難のための立退きを居住者等に勧告できる。
  • 急を要すると認めるときは、避難のための立退きを居住者等に指示できる。
  • 「消防機関等に出動を命じる」ではなく「居住者等に立退きを勧告・指示する」がポイントである。

■ 問題文

災害対策基本法における市町村の責務に関する次の文章の空欄(a)〜(d)に入る適切な語句の組み合わせを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。

災害対策基本法において、市町村は、(a) 地方公共団体として、当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、(b) を作成し、実施する責務を有しており、市町村長は、災害が発生し、または発生するおそれがある場合には、避難のための (c) 勧告し、及び急を要すると認めるときは、避難のための (c) (d) することができる。

選択肢 (a) (b) (c) (d)
広域的な 防災業務計画 出動を消防機関等に 命令
広域的な 地域防災計画 立退きを居住者等に 指示
基礎的な 防災業務計画 出動を消防機関等に 命令
基礎的な 地域防災計画 出動を消防機関等に 指示
基礎的な 地域防災計画 立退きを居住者等に 指示

■ 解答

(a) 基礎的な
(b) 地域防災計画
(c) 立退きを居住者等に
(d) 指示

■ 解き方の方針

この問題は、空欄ごとに次のように判断します。

市町村

住民に最も近い行政主体

基礎的な地方公共団体

市町村が作成する防災計画

地域防災計画

避難の対象

消防機関ではない

居住者等

急を要するとき

避難のための立退きを
指示できる

この4つを入れると、正解はになります。

■ 補足講義:市町村は「基礎的な地方公共団体」

災害対策基本法では、市町村は基礎的な地方公共団体として位置づけられています。

基礎的な地方公共団体とは、住民に最も身近な行政主体というイメージです。

市町村の位置づけ

住民に最も近い行政

市町村

基礎的な地方公共団体

災害時に、避難所の開設、避難情報の発令、住民への周知など、実際に住民と直接関わる場面が多いのは市町村です。

そのため、市町村は「広域的な」ではなく、基礎的な地方公共団体と表現されます。

ここがひっかけ

防災は広い地域に関わるため、「広域的な地方公共団体」と選びたくなります。

しかし、市町村は住民に最も身近な行政主体なので、基礎的な地方公共団体です。

■ (a) に入る語句:基礎的な

(a)に入るのは、基礎的なです。

市町村は、災害対策基本法において、基礎的な地方公共団体として、住民の生命・身体・財産を災害から保護する責務を有します。

(a)の判断

市町村

住民に最も近い

基礎的な地方公共団体

したがって、(a)は基礎的なです。

■ (b) に入る語句:地域防災計画

(b)に入るのは、地域防災計画です。

市町村は、当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、地域防災計画を作成し、実施する責務を有します。

(b)の判断

市町村

地域の防災を担う

地域防災計画を作成・実施

ここで、防災業務計画と混同しないように注意しましょう。

計画名 作成主体のイメージ 試験での覚え方
地域防災計画 地方公共団体 地域の防災なので、市町村・都道府県と結びつける
防災業務計画 指定行政機関・指定公共機関など 業務を行う機関の計画

ここで間違えやすい理由

「防災業務計画」という名前もそれっぽく見えます。

しかし、市町村が作成するのは地域防災計画です。

したがって、(b)は地域防災計画です。

■ (c) に入る語句:立退きを居住者等に

(c)に入るのは、立退きを居住者等にです。

災害が発生し、または発生するおそれがある場合、市町村長は避難のための立退きを居住者等に勧告することができます。

さらに、急を要すると認めるときは、立退きを居住者等に指示することができます。

(c)の判断

災害発生・発生のおそれ

居住者等へ避難を促す

立退きを勧告

急を要する場合

立退きを指示

ここで避難を呼びかける相手は消防機関等ではありません。

避難を行うのは住民ですので、対象は居住者等となります。

ここがひっかけ

消防機関へ出動を命じるという表現は、防災活動としては自然に見えます。

しかし、この条文は住民への避難について定めたものです。

したがって、「立退きを居住者等に」が正しい表現になります。

したがって、(c)は立退きを居住者等にです。

■ (d) に入る語句:指示

(d)に入るのは、指示です。

市町村長は、通常は避難のための立退きを勧告します。

しかし、災害が切迫し、急を要すると認める場合には、避難のための立退きを指示することができます。

(d)の判断

通常

立退きを勧告

急を要する場合

立退きを指示

試験では、「勧告」と「指示」の違いが頻繁に入れ替えられます。

急を要するときは「指示」と覚えておくと判断しやすくなります。

ここで間違えやすい理由

「命令」という言葉の方が強そうなので選びたくなります。

しかし、災害対策基本法では指示という用語が使われています。

したがって、(d)は指示です。

■ 補足講義:地域防災計画と防災業務計画の違い

法規問題で最もよく出題されるのが、この2つの違いです。

計画名 作成主体 覚え方
地域防災計画 都道府県・市町村 「地域」が付くので地方公共団体
防災業務計画 指定行政機関・指定公共機関 各機関が自分の業務について作成

試験ではこの流れで覚える

市町村

地域防災計画

国・指定公共機関

防災業務計画

■ 選択肢確認表

空欄 正解 理由
(a) 基礎的な 市町村は住民に最も身近な基礎的地方公共団体であるため。
(b) 地域防災計画 市町村が作成・実施する計画であるため。
(c) 立退きを居住者等に 避難を促す対象は住民であるため。
(d) 指示 急を要すると認める場合は避難を指示できるため。

以上より、

(a) 基礎的な
(b) 地域防災計画
(c) 立退きを居住者等に
(d) 指示

となるため、正解はです。

■ 受験生がつまずくポイント

1. 「基礎的」と「広域的」を取り違える

市町村は基礎的な地方公共団体です。広域的なのは都道府県などをイメージしましょう。

2. 地域防災計画と防災業務計画を混同する

市町村が作るのは地域防災計画です。法規では頻出なので必ず区別しましょう。

3. 避難の対象を消防機関と思ってしまう

避難するのは住民です。消防機関への出動命令ではありません。

4. 「命令」を選んでしまう

災害対策基本法では「指示」という用語が使われています。

5. 勧告と指示を混同する

通常は勧告、急を要するときは指示という流れで覚えましょう。

6. 条文を丸暗記しようとしてしまう

「市町村→地域防災計画」「住民→立退き→勧告・指示」という流れで理解すると覚えやすくなります。

■ まとめ

  • 市町村は基礎的な地方公共団体である。
  • 市町村は地域防災計画を作成・実施する。
  • 避難の対象は居住者等である。
  • 急を要するときは立退きを指示できる。
  • 防災業務計画と地域防災計画を混同しない。

正解は⑤

この問題で必ず押さえたいこと

市町村

基礎的な地方公共団体

市町村

地域防災計画

避難対象

居住者等

通常:勧告

急を要するとき:指示

※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。

以上、第54回 一般知識 問15の解説でした!

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